【レビュー】小説も良かったけど映画も!「彼女がその名を知らない鳥たち」を観た感想【ネタバレ】

 

今年の第41回日本アカデミー賞で、蒼井優さんが最優秀主演女優賞を受賞した作品「彼女がその名を知らない鳥たち」を、ブルーレイを購入してようやく鑑賞いたしましたので感想を書きたいと思います。

出典:https://headlines.yahoo.co.jp/

(アカデミー賞のときはまだ映画を観ていませんでしたが、でも、絶対受賞すると思ってました!だって蒼井優が好きだから!おめでとうございます!)

(ちなみに、最優秀主演男優賞も菅田将暉になると思ってました!映画観てないけど!すいません!おめでとうございました!)

 

蒼井優好きなわたしは、原作を読んで予習をし、映画の公開日を心待ちにしていたにもかかわらず、休みの日は恐ろしいほど家に引きこもっているので結局映画館に行くということを成し遂げられませんでした。

なのでこうしてディスクが発売されるのを待っていたわけでありました。

やっと観れたー!!!

小説も好きだけど、映画もとっても良かったです。

 

以下、バンバン内容に触れてネタバレしております。

鑑賞済みの方のみ、読み進めていただけたらと思います。

 

 

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共感度0%、不快度100%?

【予告編】

 

【あらすじ】

15歳年上の男・陣治と暮らしながらも、8年前に別れた男・黒崎のことが忘れられずにいる女・十和子。不潔で下品な陣治に嫌悪感を抱きながらも、彼の少ない稼ぎに頼って働きもせずに怠惰な毎日を過ごしていた。ある日、十和子が出会ったのは、どこか黒崎の面影がある妻子持ちの男・水島。彼との情事に溺れる十和子は、刑事から黒崎が行方不明だと告げられる。どれほど罵倒されても「十和子のためだったら何でもできる」と言い続ける陣治が執拗に自分を付け回していることを知った彼女は、黒崎の失踪に陣治が関わっていると疑い、水島にも危険が及ぶのではないかと怯えはじめる――。

公式ホームページより引用

 

一番最低だと思うのは

「共感度0%、不快度100%」という印象的なキャッチコピーでしたが、この映画の登場人物は全員「最低」と謳われています。

嫌な女・十和子 蒼井優

下劣な男・陣治 阿部サダヲ

ゲスな男・水島 松坂桃李

クズな男・黒崎 竹野内豊

 

松坂桃李さんは自身の役・水島のことを「【水島真】と書いて【ペラペラペラ男】と読みます」とおっしゃっていましたが、まさに、ペラッペラのゲス不倫野郎でした(笑)

ですが、わたしがこの4人の中で一番「最低だな」と思うのは、そんなペラペラペラ男を差し置いて、やっぱり黒崎かな・・・。

この世にいちゃいけないレベルの最低さというか、あれ、もはや犯罪じゃんよ(陣治と十和子のほうが犯罪レベルは高いけれど)。

 

というか、陣治は全然最低じゃありませんよね。

ただただ不潔なだけ。

最低ではないけど、一緒に暮らすとなると、不快度は100%だと思いますが。

蒼井優さんも、十和子を演じるうえで、「陣治のことを好きにならないようにするのが大変だった」というようなことを語っていました。

撮影現場でも、陣治役の阿部サダヲさんがいない日は、スタッフが「陣治ロス」に陥っていたらしいです。

陣治はこの作品において唯一「クズじゃない人間」だったと思います。

 

十和子もしっかり嫌な女でしたね。

ダメな男にあんなに盲目になってしまう感じ、わたしは共感度0%でした。

まあ、かっこいい男性にいきなりキスされたり、ナンパされたり、っていう経験が私にはないから、もちろん共感できるわけねえのですけど。

 

それでも、この映画では十和子に一番共感することができました。

残念ながらそれは恋愛に関する部分ではないので、だいぶズレた感想になってしまいますが、十和子の生活スタイルにのみ、唯一共感しましたよ。

働きもしないでずーっと家に引きこもっていて、楽しみはレンタルDVDを観ることだけ(それも楽しんでいたように思えなかったけど)。

陣治が働いてきたお金で生活しているのに、陣治のことを軽蔑して人間扱いしていない。

うん、やっぱり「最低」なんですけどね。

でも、毎日なんで生きているのか分からない、死ぬほどつまらない自分の人生に絶望して身動きが取れない感覚。

十和子ほどではありませんが、休日は誰にも会わずに引きこもっている私は、あの引きこもり生活のしんどさに共感できる箇所がありました。

あの環境が十和子の心が荒んでしまう要因の一つなのに、抜け出せないし抜け出したくもない、そもそも気力がない。

お姉ちゃんにそんなんだからダメなんだと会うたびに説教される感じも、つらいですね・・・。

わたしは一応働いていますけど、実家暮らしで親にたまに言われる小言でもグサッとくるので、十和子はかなりストレスだったと思います。ハンマーカンマ―、お察しします。

自分のことが嫌いなのに、そんな自分を執拗に愛してくれる男(しかも不潔、生理的に無理)なんて、意味が分からな過ぎてイライラしまくりです。

でも、その男に頼るしかない無力でダメな自分。

お察しできないほど、しんどいだろうと思いました。

 

なので、わたし的“主要人物の最低度”は、

陣治<<<十和子水島黒崎

こんな感じで黒崎が一番最低の救いようのないクズ人間だと思ってます。

そして不快度は100%でしたが、共感度は35%くらいありました(制作側が意図する共感とは異なると思いますが)。

 

 

映画だから良かったところ

そもそも私は「蒼井優が主演の映画が公開されるからその予習をしておこう」と思って原作を読んだので、小説は映画のキャスティング通りの人を想像して読みました。

脳内実写化しちゃってたわけなので、映画はまったく違和感なく観ることが出来ました。

映画化に一切の不満はありません!当然だ!

 

そんな私からの意見で恐縮ですが、原作と比べて映画の良かったところをについて書かせていただきたいと思います。

まず、映画の方が好きなところは・・

1、関西弁がリズミカルでよかった

2、国枝がより怖く感じられた

3、水島のペラペラ具合がより感じられた

4、ラストの構成が素晴らしかった

というところです。

 

1、関西弁がリズミカルでよかった

原作ですから小説ももちろん関西弁で書かれているのですが、映画で実際に音として関西弁を体感することが出来て良かったです。

汚い言葉だったりもしましたが、とても聴き心地が良くて楽しめた!

映画を退屈にさせない重要なエッセンスになっていたと思います。

小説はわりと淡々と進んでいき、重苦しい雰囲気で息が詰まりましたが(そこがまた良し)、映画は聞こえてくる関西弁の会話で、ほんの少し見やすくなっていたかなと思いました。

 

2、国枝がより怖く感じられた

出典:https://natalie.mu/

映画を観てビビったのは、国枝がめちゃくちゃ不気味で気持ち悪かったところです。

とんでもなく怖かった・・・!

十和子が黒崎の妻・カヨの家を訪ねた場面で初登場した国枝(中嶋しゅうさん)。

原作にはなかった展開でしたよね?ということもあって、とっても驚いてしまいました。

あのシーンの恐ろしさはハンパじゃなかったです。

小説では私の想像力の限界があってか、そこまで怖いイメージは抱かなかったのですが、映画では見事に度肝を抜かれました。

 

 

3、水島のペラペラ具合がより感じられた

本当に、松坂桃李の水島があっぱれ!でした。

小説では「ああ、こういうダメな男っていっぱいいるんだろうなー。最低だなー。」くらいのテンションでしたが、映画の水島を観て「うーわ。こいつマジかよ。ふざけんなよ。頭おかしい!最低!!ナンテコッタ!!!」ってくらいまでテンションが持っていかれました。

あまりのクズさに笑っちゃうレベル。

映画が進むにつれてどんどんクズさが露呈していく感じが最高でした。

特に、自分の家庭に悪質なイタズラをされたあたりから、ペラペラペラ男度に磨きがかかっていて、言動の全てが薄っぺらかったですよね。

水島の態度はもちろん、話し方や声色が変わっていったのは素晴らしかったです。

これは映画ならではの楽しさだな、と思います。

松坂桃李さん、お見事でした!

 

 

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4、ラストの構成が素晴らしかった

小説と映画では、物語の構成がちょいちょい異なっていました。

全体の構成自体は、わたしは小説の方が好みだったかもしれません。

ですが、ラスト部分に関しては、映画の方が涙腺を刺激する演出となっていたと思います。

 

だって、陣治がいなくなったあとに、陣治と十和子の出会いの場面をもってくるなんて反則じゃないですか?

あそこで全員泣いちゃいますよ。最高でした。うん。

 

わたしは映画のラストを観て、洋画ですが『ブルーバレンタイン』を思い出しました。

この映画は、過去【出会いから結婚まで】と現在【離婚に向かうまで】が交互に描かれている作品で、過去の結婚という幸せな場面の後に、現在の離婚せざるを得ない場面に切り替わってしまうという演出で、とても胸が締め付けられる構成になっています。

大好きな映画のひとつです。

おすすめ映画ですが、『彼女がその名を知らない鳥たち』のように、観た後はなんとも言えない重たい気持ち、ずっしりした余韻に浸ることになると思うので、観る時期には注意が必要かもです。

 

過去の幸せだったころの記憶を、現在のどうしようもない現状の間に挟み込まれると、どうしても涙腺崩壊してしまいます。

 

 

小説の方が良かったところ

小説も映画も、「こっちのほうが優れていた」と語れないほど、わたしはどちらも素敵で大好きなわけですが、「これは小説の方が良かったなー」と思うところもせっかくですから(?)述べさせていただきます。

それは、最後のセリフです。

たった一人の十和子の恋人

原作ではこれがラストの一文となっております。

この一文を読んで、わたしは「うわあ・・・」と思い、ここで初めて泣いてしまいました。

そして何度も何度も繰り返し読んで、しばらく余韻に浸って動けないでいた。

そんな強烈な一文だったので、映画ではどうなるんだろうと、かなりハードルが上がっていました。

 

映画でもこれが最後のセリフとなっていましたが、蒼井優さんの声で語られたため、

たった一人の私の恋人

に変えられていました。

ハードルが上がっていたせいもあるし、原作で何度も読んでしまっていたから当然なんですけど、この重いセリフが、私にはあっさり通り過ぎるように聞こえてしまいました。

 

やっぱり文字の力って凄まじいものがあるな、と感じます。

 

 

最後にひと言

繰り返しになりますが、小説も映画も本当に素晴らしい作品でした。

ただ、先に小説を読んでいたので、展開とかオチとか、登場人物の本性とかを知りながら映画を観ることになって、やっぱり何も知らないで鑑賞すべき作品であるな、と感じます!(逆も然り)

 

とにかく、ただただ陣治に会いたいーーーー!!!

です。はい。笑

 

十和子があの後、幸せになるとは思えない私でありました。

 

 

 

 

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